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2005/08/06 ■ 父が奏でたかったヒロシマ


「父が奏でたかったヒロシマ〜ある被爆2世の旅」

ギタリスト・ウエキ弦太さんと、
そのお父さまでバイオリニスト、故・植木三郎さんを扱った
ドキュメンタリー。
7月に中国地方で放送されたものが、
全国で再放送となりました。


弦太さんのお父さま・植木三郎さんは
10歳の時に被爆し、生前、家族にさえその時の体験を
ほとんど語らず、広島をずっと遠ざけていたそうです。


亡くなった一ヶ月後にお父さまが出演するはずだったコンサートの
会場である、フェニックスホールでお話しされる弦太さんの、
力強い視線、口調が印象に残りました。
6月のGENTA LIVEのMCをきいて
このひとのこれからの音楽を見届けたい、と
思ったときのことを思い出しました。

そういえば、ホールで「明日が見えるまで」を歌ってきた、て
おっしゃっていたな、と。
残念ながらその時の様子は番組中にはありませんでしたが、
ステージの上で立ちつくして、少し頭を下げる弦太さんの姿を見て、
それはとても神聖で、安らかで、深い響きだったのではないかと
想像しました。


最後にちょっとだけ流れた
弦太風「G線上のアリア」・・・「Air for "G" strings」。

私はまだ1回しか聴いたことがありませんが、
その時の気持ちを忘れられずにおります。
あの曲で弦太さんが表現しようとしているものを
これから少しでも感じ取れていけたら、と

弦太さんの音色を愛する聴衆のひとりとして、
これから聴く弦太さんの音楽、
今まで聴いた弦太さんの音楽を
大切にしていきたいと、思いました。


と、同時に、
この番組を通して、戦争や原爆や被爆者の方々について
少しでも何か感じたり知ったりできたこと
ややもすれば戦争を知らない世代の私が、
「ああ、ヒロシマの日か」で済んでしまうこの日を、
色々考えながら過ごせたことを
ありがたく思います。





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