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2005/12/17 ■ 春の居場所


昨年4月に亡くなった、作家・鷺沢萠。

亡くなってからも、
直前まで連載していたものが単行本になったり、
単行本が文庫化されたり、と、
新刊コーナーでも鷺沢さんの名前は見ることができていて、
見るたびに、
わああ、と嬉しくなっています。



亡くなってからわりとすぐ発売された、「ビューティフル・ネーム」という本があります。
いくつかの短編と、
未完の作が2編収録されています。


未完のものの1本が、

「春の居場所」。


ほんの、書きかけの小節です。
終わり方も、ほんとに書きかけ。

パソコンで文章を書く時、おそらく誰もがそうするように、
書きかけては消し、あるいは、コピー&ペーストしたりしたあとなのか、
ちょっと書いたけれど途中でやめて、前に戻ってどこかを直していたあとなのか、

・・・と、そんなことが想像できる、
最後のページ。



ファンにとっては
色々な思いの交錯するこの作品が、

映画化されるそうです。



・・・



映画化?


えええ。



映画化!?



しちゃっていいの、
そんなの、
しちゃっていいの。


発表したかったかしたくなかったかもわからない
そんな作品に、
第三者が残りを付け足して、
しかも映像化なんてしていいの。


そんなの、
そんなの、


ああ。


と、フクザツな思いでその記事を読みました。


それはもう、鷺沢作品ではないのではないだろうか。


来年2月公開。


うむむ。



「春の居場所」映画化 オフィシャルHP






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